「もうちょっと詳しい白髪染の歴史」 第4回 江戸時代の白髪染について 

1.はじめに

中世の白髪染について

・斎藤実盛の例があるものの、「白髪を染める」ことが行われていたことを示す資料は見つかっていません。戦国の世といった状況では、いずれの階層においても白髪を染める余裕はなかったのでは。

ただ、日常的に伸びる髪ですから、髪に関する職業、白髪より切実な薄毛に対応するかつら、付け髪などがこの時代に登場してきたようです。

・髪結い・・・藤原采女亮政之の例

・かつら・・・蝉丸の例

・付け髪

中国からの医薬、化粧品情報の「医心方」は一般庶民へは知らされず、その代わり中国から「本草学」の集大成である「本草綱目」が江戸時代初期日本にもたらされ、のちの編纂された類書や実用書に影響を与えたようです。

今回は、そうした書籍類の中から「白髪染関連項目」について紹介します。

2.本草学について     

本草学とは

中国の秦(紀元前905~前206年)、漢(紀元前206~220年)以降六朝(222~589年)にかけて広まった「神仙思想」で用いられる、神仙家の方術としての薬と、医家の薬を区別するのが「本草学」。

本草の意味は「草石の性に本づくもの」であり、薬用とする植物、動物、鉱物などの形態や産地、効能などを研究するものです。

本草学の流れ

           神農本草経(陶弘景)

      659年 新修本草        ⇒ 奈良時代に渡来

      974年 開宝本草

     1060年 嘉祐補註本草(掌禹錫)     

     1061年 図経本草(蘇頌)

     1082年 証類本草(唐慎微)   ⇒ 平安末期に渡来

     1092年 経史証類備急本草

           重広本草(陳承)

     1108年 大観本草

     1116年 政和本草

     1159年 紹興本草

     1596年 本草綱目(李時珍)

3.本草綱目について

上記年表で分かるように、集大成の「本草綱目」は、日本国内には江戸時代初期につたわったようで16部、60類、1800種を超える品目を取り扱っています。

本草綱目の構成

   部         類

 ・水部       ・天水類 ・地水類

 ・火部

 ・土部

 ・金石部      ・金類   ・玉類   ・石類 上下  

           ・歯石類

 ・草部       ・山草類  ・芳草類

 ・草部       ・湿草類上下・毒草類

 ・草部       ・蔓草類  ・水草類  ・石草類  

           ・苔類

 ・穀部       ・麻麦稲類 ・稗粟類  ・菽豆類  

           ・造醸類 

 ・菜部       ・葷辛類  ・柔滑類  ・蓏菜類  

           ・水菜類  ・芝栭類

 ・果部       ・五果類  ・山果類  ・夷果類 

           ・味類   ・蓏類   ・水果類

 ・木部       ・香木類  ・喬木類  ・灌木類  

           ・寓木類  ・苞木類  ・雑木類

 ・服器部      ・服帛類  ・器物類  

 ・虫部       ・卵生類上下・化生類  ・湿生類

 ・鱗部       ・龍類   ・蛇類   ・魚類   

           ・無鱗魚類

 ・介部       ・亀龞類  ・蚌蛤類

 ・禽部       ・水禽類  ・原禽類  ・林禽類  

           ・山禽類

 ・獣部       ・畜類上下 ・獣類上下 ・鼠類   

           ・寓類   ・怪類

 ・人部           

 本草綱目に取り上げられているものの中には、「髭鬚を黒くする」と記載されているものがありますので、その一部を紹介します。

・金石部   鉛、鉛霜、鉛丹 

・石部      鉄落、石灰、緑礬

・虫部      五倍子

・果部    紅白蓮花

・木部    槐、婆羅得(ぼろて)、樺木(とうかんば)、

       柏葉、梧桐、訶子、桑

・草部    何首烏

解説の例

(a)鉛を使った例

・髪を黒くする鉛櫛

鉛、錫、婆羅得、針砂を主成分とし、その他硫黄、没石子等を加えてつくった鉛の櫛で、100回づつ鬚を梳る。

(b)鉄を使った例

・白鬚髪を染むる法

酢で7回炒った鍼砂(鉄)、訶子、白芨、百薬煎(五倍子)、緑礬を用いて鬚髪を染める。

別法として、鍼砂、蕎麪(そば粉)と百薬煎を茶で調へ、夜塗り翌朝洗ひ、再び訶子、没石子、百薬煎を水で和して塗り、一夜置いて洗い流せば、黒く且つ艶を出す。                          

(c)槐(えんじゅ)を使った例

・白髪を黒に還す

「都風俗化粧伝」では、「髪黒くし一生白髪生ることなき薬伝」として、えんじゅの実が取り上げられています。

国訳 本草綱目より
国訳 本草綱目より

 4.江戸時代の文献から

戦乱の時代も終わり世の中が平和となり、文化文芸が盛んになると古い昔を見直す気持ちが生まれたようで、本居宣長の「古事記伝」もその例でしょうか。個人だけでなく藩や国単位での事業となったものもあるようです。

(1)類書(いわゆる百科事典)

江戸時代から明治・大正期にかけて、幕府、藩、明治政府などが主体となった事業に「類書」があります。

その代表的なのは以下のようなものです。

< 和漢三才図会 >

寺島良安により江戸時代中期に編纂された日本の類書(百科事典)。

105巻からなり、正徳2年(1712)成立。

 

巻 1 天部       巻36 女工具     巻71 若狭国

巻 2 天文       巻37 畜類      巻72 山城国

巻 3 天象類      巻38 獣類      巻73 大和

巻 4 時候部      巻39 鼠類      巻74 摂津

巻 5 暦占部      巻40 寓類、恠類   巻75 河内国

巻 6 暦択日神     巻41 禽類      巻76 和泉国

巻 7 人倫類      巻42 原禽類     巻77 丹波国

巻 8 親        巻43 林禽類     巻78 美作国

巻 9 官位部      巻44 山禽類     巻79 阿波国

巻10 人倫之用     巻45 龍蛇部     巻80 豊前国

巻11 経絡部      巻46 介甲部     巻81 家宅類

巻12 支体部      巻47 介貝類     巻82 木部

巻13 異国人物     巻48 河湖有鱗魚類  巻83 喬木類

巻14 外夷人物     巻49 江海有鱗魚   巻84 灌木類

巻15 抜芸       巻50 河湖無鱗魚   巻85 寓木類

巻16 芸能       巻51 江海無鱗魚   巻86 五果類

巻17 嬉戯類      巻52 卵生類     巻87 山果類

巻18 楽器類      巻53 化生虫類    巻88 夷果類

巻19 神祭       巻54 湿生虫類    巻89 味果類

巻20 兵器 防備類   巻55 地部      巻90 蓏果類

巻21 兵器 征伐具   巻56 山類      巻91 木果類

巻22 刑罰具      巻57 水類      巻92 山草類上

巻23 漁猟具      巻58 火類      巻93 芳草類

巻24 百工具      巻59 金類      巻94 湿草類

巻25 容飾具      巻60 玉石類     巻95 毒草類

巻26 服玩具      巻61 雑石類     巻96 蔓草類

巻27 絹布類      巻62 中華地理    巻97 水草、

                           藻類、苔類

巻28 衣服類      巻63 中華地理    巻98 石草類

巻29 冠帽類      巻64 地理      巻99 葷草類

巻30 履襪類      巻65 地部      巻100 蓏菜類

巻31 庖厨類      巻66 上野国     巻101 芝栭類

巻32 家飾具      巻67 武蔵国     巻102 柔滑菜

巻33 車駕類      巻68 越後国     巻103 穀菽類

巻34 船橋類      巻69 甲斐国     巻104 菽豆類

巻35 農具類      巻70 能登国     巻105 造醸類

白髪、白髪染に関連する資料

 巻12 支体部 髪を黒くする方   資料名 「松尾筆記」巻63

 巻59 金類  鍼砂 白髪を染める薬

< 群書類従 >

 塙保己一(はなわほきのいち)が編纂した国学・国史を主とする一大叢書。

 江戸後期、寛政5年(1793)~文政2年(1819)に刊行され、正編1273種

 530巻、25部からなる。

1、神祇部        14,物語部

2,帝王部        15、日記

3,補任部        16,紀行部

4,系譜部        17,管弦部

5,伝 部        18,蹴鞠部

6,官職部        19,鷹 部

7,律令部        20,遊戯部

8,公事部        21,飲食部

9,装束部        22,合戦部

10、文筆部       23,武家部

11,消息部       24,釈字部

12,和歌部       25、雑 部

< 古事類苑 >

 明治時代に政府により作られ、大正時代の初めまで刊行された「官撰百科事典」。

・天 部          ・歳時部

・地 部          ・帝王部

・封禄部          ・称量部

・方技部          ・姓名部

人 部          ・器用部

・飲食部          ・遊戯部

・動物部          ・植物部

白髪、白髪染に関連する資料

人部―身体< 髪・鬢髪・白髪>

「古ハ頭髪ノ黒ク長キヲ尚ビ、其長サ身長ヲ超ユルモノ多シ、又縮毛ヲ忌ミ白髪ヲ忌ム事、古今相同ジ、又髪薄キモノハ義髪ヲ為セリ」

< 類聚名物考 >

 江戸時代中期、山内浚明(まつあけ)によって編纂された33部の日本最初の類書。

第 1 冊  天文部  時令部  仏教部  人物部  神祇部

第 2 冊  地理部

第 3 冊  姓氏部  称号部  武備部  弓矢部  

第 4 冊  人事部  身体部  心情部  言語部  飲食部  病痼部

第 5 冊  政事部  宮室部  装飾部   船車部  調度部  書籍部  文史部

第 6 冊  声音訓読部  歌故事部  和歌部  歌天爾遠波部  楽津部  薫香部  故事部  凶事部  雑部  諸書抜萃部

白髪、白髪染に関連する資料

 身体部<髪・若白髪・白髪>

 白髪 志らが 志らかみ

 「志らかみなるを略て志らがそもいいへりまた志らがのかみともいふハ一日のひ二日のひともいふが如く重言に似てさにハあらず内典にも菩薩摩伽薩いふが類ひなり」

< 古今要覧稿 > 

 江戸時代後期、幕命により御家人で国学者の屋代弘賢によって編纂された。

18部、560巻。

神祇部    官職部     雑芸部     人事部    病痼部

天文部    政事部     時令部     暦占部    歳時部

地理部    和歌部             冠服部    虫介部

祥瑞部    小学部             装束部    魚介部

居処部    飲食部             菜蔬部    雑 部

釈教部    器財部 上下

人物部    禽獣部

姓氏部    草木部 上下

< 庶物類纂 >

 江戸時代中期、本草学者の稲生若水によって編纂された。

第 1 巻   草属  花属  

第 2 巻   鱗属  介属  羽属  毛属

第 3 巻   水属  火属  土属

第 4 巻   石属  金属  玉属

第 5 巻   竹属  殻属

第 6 巻   菽属  蔬属

第 7 巻   蔬属

第 8 巻   海菜属 水菜属 菌属  蓏属  造醸属 虫属(1)

第 9 巻   虫属(2)   木属   蛇属  果属  味属

< 広文庫(こうぶんこ) >

明治~大正期にかけて物集高見によって編纂された。これは上記のものと異なり五十音順となっている。

髪、白髪を染む  参考:源平盛衰記 三十

            謡曲拾葉抄 実盛

            山鹿語類 二

師曰、元の中武王巳に鬢髪の白かりけるに、或時忽ちに黒くわかやかに出で立ちて出仕ありぬ、世皇叡賢あって驚き尋ね給へば中武王答へ奏せられけるは、臣このごろ薬を得てこれを染めぬと申す、帝重ねて叡聞ありけるは、髪を染めて黒からしむるの心得は何事にや、中武王答へ奏して曰く、臣鏡を見て髪の白きを見て、年巳に老いぬ、忠を天子に盡さん日の少なく、我が老衰を思ひて逸楽の情の生ぜんことをかなしみて、因りて是れを染め侍るなりと申されければ、帝大に感じ給いめと云へること、輟耕録(てっこうろく):書名)に出でたり

(2)民間人の書いた類書的なもの

前述のような、幕府や藩が主体となった公的な類書のほかに、個人が残した類書的な随筆がいくつもあります。そのいくつかを目次と共に紹介します。

(a)類聚近世風俗志(原名 守貞漫稿)

守貞漫稿は、喜田川守貞が天保8年(1837)から30年間かけて書き上げた、江戸、大坂、京都の風俗、事物を説明した類書で、近世風俗史の基本文献と言われています。

序文では、「・・・されば現代の状態を審にせむには、必ずや遡って舊(旧)幕時代の状態を

討尋する所なるべからず・・・」とあるように、過去を見直す余裕が社会に出てきたようです。

< 目次 >

巻一   時勢   巻二   地理   巻三   家宅   

巻四   人事

巻五   生業   巻六   生業   巻七   雑業   

巻八   貨幣

巻九   男扮   巻十   女扮   巻十一  女扮   

巻十二  女扮

巻十三  男服   巻十四  男服   巻十五  男服   

巻十六  女服

巻十七  女服   巻十八  雑服   巻十九  織染   

巻二十  妓扮

巻廿一  娼家京阪 巻廿二  娼家江戸 巻廿三  音曲   

巻廿四  雑劇京阪江戸

巻廿五  沐浴   巻廿六  春時   巻廿七  夏冬   

巻廿八  遊戯

巻廿九  笠    巻三十  傘履

後編

巻一   食類   巻二   遊戯   巻三   駕車   巻四   雑器

(b)本朝世事談綺

江戸中期の俳人、作家の菊岡沾涼(せんりょう)が著した、事物の起源事典。

< 目次 >

巻之一  〇衣服門   〇飲食門

巻之二  〇生植門   〇器用門

巻之三  〇態芸門

巻之四  〇歳時門   〇文房門

巻之五  〇人事門   〇雑事門

例えば、器用門から「伽羅油」についての記述は、

正保、慶安のころ、京室町髭の久吉亮はじむ。其後三条の市宇賀縄手の五十嵐これを製す。

江戸にては芝の大好菴、背虫喜右衛門などはじめなり。・・・」とあります。

また、同じく白粉については、

持統天皇六年に始て鉛粉を作とあり。しかれども精ならざりし也。慶長、元和のころ、泉州堺銭屋宗安と云うもの、大明の人に習ひ、はじめて造る。(中略)近世本朝の白粉甚だ勝れたり、よって異国人買去る。」とあります。

残念ながら、白髪染に関する記述はありません。

(c)歴世女装考

江戸時代後期、弘化4年(1847)、岩瀬百樹が著した、女性の装いを文献、絵画で考証したもので、特に髪に関するところは参考となる随筆集。

巻一  〇鏡の始原 ~ むかしの鏡磨、昔の鏡台

巻二  〇櫛の部  櫛の権輿(けんよ:物事の初め)

          象牙の櫛、蒔絵の櫛

          神代の首飾・笄(こうがい)

          神代の髪の風(ふり)・古今種々(くさぐさ)の髪の風

巻三  産剃に剃刃を用ひざる事・胎髪(うぶがみ)を少しそり残す事

    むかしの垂髪(すべらかし)のさま・髪のふくだむ

巻四  かもじの事、びんつけ油の始原

(d)嬉遊笑覧

江戸後期、文政13年(1830)、喜多村信節が著した、風俗、歌舞音曲などを中心に、諸書から抄録して私見を加えた随筆。

     巻一 居処 容儀        巻七  行遊 祭祀 仏会

巻二 服飾 器用        巻八  慶賀 忌諱 

巻三 書画 詩歌        巻九  娼妓 言語

巻四 武事 雑伎        巻十  飲食 火燭

巻五 宴会 歌舞        巻十一 商売 乞士

巻六 音曲 翫弄        巻十二 禽蟲 漁猛 草木

(3)実用書

江戸時代中期から明治時代にかけて、一般大衆に向けて数多くの実用書が出されていたようで、その中でも「都風俗化粧伝」は、美容書として大正時代まで続くベストセラーとなりましたが、他にも数多くの「実用書」といったものが存在します。

内容も化粧だけでなく、衣食住から生活全般にわたる問題に解答を与えています。

都風俗化粧伝 髪の部
都風俗化粧伝 髪の部

 今回は、江戸時代に登場した「重宝記」や「妙術博物筌」等の中から、髪に関する疑問とその対応についての内容を紹介します。

資料:江戸時代の実用書
資料:江戸時代の実用書

 元禄から幕末にかけての髪の悩み(白髪、赤毛、髪を伸ばす、など)の対応法が書かれているが、明治以降の小冊子にも同様の問題と対応が掲載されており、「白髪染製品」がまだ一般に浸透していない様子が窺われます。

明治時代の小冊子から 

明治時代の小冊子
明治時代の小冊子

 ・舎密階梯2 (明治9年)・・・白髪ヲ染ルノ法

消酸銀液ハ動物ノ体ヲ黒色染ム故ニ水ヲ之ニ和テ其腐食ル強キ性分ヲ甘解レバ赤髪白髪ヲ赭黒染ルニ用フ厄利斎亜(ギリシア)水是ナリ

・新撰速成 製法秘訣 (明治20年)・・・白髪染薬製法二題

                     ・上好煙墨

                     ・五倍子、鉄粉

・男女必携 容儀之栞 (明治23年)・・・白髪を黒色に変する法

胡麻子 五十粒皮を去り胡麻の油にて煎じ菎麻子のこげたるとき取出して三日間其儘となしをき四日目より此の油を塗る可志甚た妙なり

・実地経験 理化奇術大全 (明治24年)・・・髪の赤きを黒くし且艶を出す法

桐の木を煎じて洗へば黒くなり又菜種油を付れば髪は長く伸び艶を出す

・化学的医学的応用 東洋之秘術 (明治25年)・・・白髪染の新法

                          ・二剤式金属染毛剤

<トピックス> ホーユーヘアカラーミュージアムで特別展示

         「ヘアカラーの明治・大正・昭和浪漫」

        パッケージと広告物から紐解く時代とデザイン展

千代ぬれ羽をはじめとする、歴史的な製品のパッケージデザイン解説とともに、関連の販促広告物も展示して、白髪染時代の雰囲気を感じてもらう企画です。

現在、戦前の白髪染製品でパッケージが確認されているのは50点ほど、その内かなりの数をホーユーが所蔵しているようで、こうした展示につながったようです。

今回は、その中から歴史的に重要なもの、特徴のあるものを選んで、同志社の先生にそのデザインの解説をいただいたようです。白髪染の展示会でパッケージデザインを取り上げたのは、おそらく初めての試みかと思われます。

なお、今回の展示は三時代にわたって同傾向のパッケージを取り上げましたが、同時代のパッケージを集めた写真がありましたので紹介します。(昭和15年)

製品名は「富士」「元禄」「るり羽」「八雲」「ナイス」「黒蝴蝶」「羽衣」「ヘーヤダイ」「君が代」「小町染」です。こうして眺めると、何か類似したものが見えてくる気がしますので、調べていただければいかがでしょうか。

なお、ミュージアムのHPでもう少し内容紹介があれば、見に来られない方にも参考になるかと思いますので今後ご検討いただければと思います。

今回、江戸代の白髪染製品については触れませんでしたが、「美玄香」のように名が知られた製品以外にも存在していたようです。       

白髪染の国産化を含め、社会に白髪染の存在が明らかになるのは明治半ばでしょうか。

次回は、江戸時代から明治時代にかけて登場した白髪染について、もうちょっと詳しく報告させていただきます。